最近の税務調査について
一般に税務署の行う税務調査は「任意調査」であり、強制力はないのですが、質問検査権が与えられている為、避けて通れないのが実情です。また、税収不足が叫ばれる中、税務署側も不退転の決意で臨んできている為、追加税が発生するとその負担は大変なものとなることがあります。一般の方は申告書を受理してもらえば終了と考えている方が多いのですがその後じっくり調べて少なくても3年分は調べにくるのが税務調査です。 そこで、私が過去24年間に調査立会いをした経験を踏まえ、特に最近3年間を分析し、その対策をお伝えしたいと思います。
1.調査頻度
| 調査頻度 |
法人 |
個人 |
資産税 |
| 平成18年 |
6
|
2
|
1
|
| 平成19年 |
5
|
2
|
0
|
| 平成20年 |
8
|
1
|
1
|
| 平均 |
2~3% |
3~4% |
5~10% |
※資産税とは、相続税、贈与税、譲渡所得
※法人は、売上年商1億円以上で、4~5年に1回 5,000万円以上で、6~7年に1回 個人は、売上年商、1,000万円以上で、7~8年に1回 資産税は、特例を使ったケース又は税額の多額なもの。
2.調査対象になりやすいところ
(1)反面資料又は内部告発があり、所得隠しの疑いのあるケース。 (2)消費税を還付されているケース。 (3)職別建設業等、バックリベートのあることが多い業種。 (4)好況業種、または累損を一掃した会社。 (5)業績に大幅な変動がある会社 (6)高額資産を購入したところ
また、最近の調査は、一度入ると深くやるように指示されているようで、細かく、簡単に終わりません。通常2日間を要求してきます。(当事務所では、原則1日と交渉し、1日半くらいとなります)
3.調査方法
(1)税務署からまず電話が入ります。留守がちな所は、ハガキかポストに調査したい旨、メモにして、 日時を連絡してきます。*相手の部門氏名をメモし、日程は税理士と相談して返事すると伝えて ください。(税理士関与が分かる場合でも最近はまず納税者に連絡がきます。)*法人は法人部 門、個人は個人部門 (2)当日は、10:00頃普通1名か2名で事務所へ来ます。 まず、現状の確認 ここでは、売上先、仕入先、外注先、件数、取引銀行名等の話がされます。 記帳担当者についても確認がされます。 (3)売上の確認 請求書発行から代金の領収に至るまでの流れと、その確認がされます。(自動販 売機等の雑収入にも要注意です) ※通常直近の申告から3年間遡り調べられます。(脱税の時効は7年であり今後は5年間遡り調べられる可能性が あります) ※売掛金の計上、預金通帳等で計上漏れがないか調べられます。 (4)仕入れ、外注費、給料、交際費等主要支出科目の点検 領収書、請求書の有無、相手先、支 出の妥当性及び源泉税の徴収の確認がなされます。 (5)高額資産の譲渡、購入を行っている場合の処理の妥当性の確認(特に印紙税、消費税につい て) (6)在庫となる棚卸資産、貯蔵品等が適正に計上されているか。
4.調査の日程その他
(1)事務所での実態調査は通常1~2日 平日10時~4時頃まで (2)問題点が出た場合、その後2~3度は接触し、結果が出るまでに3週間~1ヶ月かかります。 (3)実態調査での昼食については、近所に食べるところがないときは、500円~1,000円相当のものを出前してもらえば良い。 料金は税務署員が出すときは受けとれば良いでしょう。 当事務所では、調査日より前に事前打ち合わせを励行していますので安心できます。
5.事例
(1)修理業を営む個人Bは、2年程前から会社から独立し、自分で申告をしていたが、 税務署から呼び出され税務調査が入った。 税務署に理由を強く尋ねると、売上の計上洩れがあるという。 独立する前の2~3年間、会社側がBさんへの支払いを給与と外注費に分けて行っていて、外注費分が源泉も申告していなかったのです。 会社側に調査があり、資料が回ってきていたのです。税務署の管轄が違っていた為調査に2~3年のタイムラグが生じました。 【結果】 売上計上洩約300万円、人件費等で300万円以上の問題点(架空経費の計上)があった。
所得税 売上計上洩分、延滞税、人件費否認分、事業税、加算税、住民税等 合計200万のところ交渉により80万に減額することで決着 ※所得税は累進税率の為追加分が増える程税率も高くなる。
(2)建設業を経営する法人Cは、請負元に対するバックリベートが多く、その穴埋めとして、協力関 係の外注先等に架空の領収書を書いてもらい費用計上していた。 調査に当たって、請求書がないことを不審に思われ、外注先への問い合わせが行われ、反面 資料が外注先管轄税務署に回された。後日、外注先に調査が行われ、架空領収の為売上に 計上していなかった外注先は、協力関係もあり売上計上洩を認めざるを得なくなった。 税金はCが補充することになる。 【結果】 売上計上洩200万円全額役員賞与というところ役員借入金分約150万円は借入金相 殺と認めること、売上のみの調査で終了させることで交渉、決着
法人税約60万円 、住民税 約30万円 約166万円→126万円 法人税重加算税約21万円、事業税 法人税延滞税約5万円、認定賞与 約50万円 ※役員賞与は費用にできず個人には税金がかかりダブルパンチで最悪のケースは計上洩れ額の80%くらい経費にできない税金でもっていかれてしまいます。 (3)飲食店を経営する法人Aは、顧客同士の不動産、その他の紹介を行い、紹介料を3年で300万円位収入していたが、雑収入に計上していなかった。又、従業員に対する報奨金を給与に加算して源泉徴収していなかった為、源泉税の納付額が過少であるとされた。 【結果】 雑収入計上洩300万円 通常役員賞与として、法人税と所得税でダブル課税されるところ、社長からの借入金が多額にあり、また繰越欠損金も500万円くらいあった為、交渉の結果、借入金と繰越欠損で相殺し、法人税はゼロ、源泉税は、過去1年分のみと限定することとし、1万円少々の納税で決着した。
所得税住民税 3年分 約60万------------0 源泉税 3年分 約20万------------1万少々
6.税務調査の対策
自分の行った処理を後で調査されることは、誰しも不安で、不快でそしてやるせないものです。私共としても、関与先の皆様が悩み、多額の税金で苦しむことのないよう日々勤めているところですが、税務署もその道のプロ、追加税額ゼロということは難しいのですが、常日頃の注意と事前対策で私共とスクラムを組み最悪の結果とならないよう頑張りましょう。 (1)常日頃は、記帳を定期的に行い、領収書等にも内容等を書いておくと良い、領収書かレシートは なるべくもらうこととし、上様でない方が良い。また領収書のない経費は、更に詳しく事情を書い ておく、事業に関する必要性、必然性を考え、全てが事業の為のものでない経費は、事業分を 何%と書いて記帳する。 売上は、アルバイト程度のもの、現金のもの、つきあいで書いたもの問わず、領収書発行したも の、通帳振込のものは必ず計上する。 (2)既に申告してしまったが、売上の計上洩れ等に気がついた。又は、つきあいで領収書を発行して しまった(発行しないのが一番ですが)とき早急に当事務所へ連絡下さい!!修正申告をしてお いた方が結果的に安心、税金も安く済みます。 ※修正申告手数料、申告書1件につき2~3万円 (3)税務署から連絡が来たとき あわてて調査に応じず税理士に連絡して日程を決めたい旨伝え、 電話番号、内線、部門名、担当者名を聞いてメモしておき、当事務所へ連絡下さい。(振り込め サギもあります) 当事務所から税務署へ連絡し、調査理由、対象年度、調査日数、日時を問い合わせ関与先の 皆様の都合を最優先して決めるようにします。(税務署の調査は任意調査であり、マルサではあ りません。協力するということです。) (4)確認調査が終わっても安心できません。あとで、経費が不明ということで呼び出され、税理士の 知らないうちに、多額の税金を決めてしまった例もあります。 後日強力に抗議して謝罪させましたが、納税者が認めてしまったら後の祭りです。 窓口は、当事務所がなりますので、「税理士に任せていますのでそちらに連絡して下さい」と伝え て下さい。 (5)確認調査ではいろいろ聞かれますが、分からないことは、分からないと答え、聞かれたことだけ 応えれば結構です。 (6)税務署の人事異動は7月にあり、調査は前半が4~5月、後半が9~11月頃に集中します。一 旦調査になったら焦らずじっくり構え、有能な税理士に任せておけば自然と良い結果に終わります。 ※税務署も、確実なものでないと課税する訳にいかないのです。
(7)多少の税金は、覚悟する余裕を持つ 税務署も出張して来るからには、多少の追加を期待している面もありましょう。また、人間のやっ ていることですから必ず問題の1つか2つは、でるものです。 勿論0が一番で努力しますが、なかなか難しいのです。 0をあまり意識すると、不安、心配がつきまといますから、ある程度太っ腹になって下さい。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------- 鳥山会計事務所に依頼される場合の費用 立合 打ち合わせ、税務署交渉1日当たり 約6万円 修正申告手数料1件当たり2~3万円 (実状に応じて安くできる場合があります) ※すべて報酬には消費税が加算されます。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------
現在調査中のあなた 税務署は甘くはないが、主張することは主張するといった毅然とした態度で接する事です。 この対策で調査がスムーズに終了することを願います。 もし本当に困ったら、修正申告書に印を押す前のなるべく早い段階に鳥山会計へご連絡下さい。私の経験、知識、人脈のすべてを駆使して全力であなたをお守りします。
その他
○土地を購入した際の仲介手数料が原価を構成するとして一時損金できないとされたケース
→取得は原価、売却は費用を徹底する。
○生命保険料の中に積立(資産計上)部分があるとして問題になったケース
→保険証券の写しを担当者に見せて検討させて下さい。 ※逓増定期保険の一部に全額損金とできないものがありますので要注意。
○外国人に支払っている給料の源泉税を20%徴収すべきところ日本人並に徴収していて問題となったケース
→外国人が1年以上日本国内に居住していれば居住者(日本人)と同様です。 (パスポート又は雇用契約書ではっきりとさせておきましょう)
○役員の海外渡航費の経費性が問題となったケース
→出張先で仕事をしている証明を作っておく。
○未払賞与が問題となったケース
→各人別に賞与の金額を決め、書類作成のうえ決算翌月までに支払うこと。
○社長の配偶者の役員報酬が実際の仕事以上に高額であると問題になったケース
→仕事の内容を記録しておき他の使用人との給与の開きを少なくする。
○海外出張費と日当を消費税課税仕入としていたとして否認されたケース
○外注費としている建築職人の日当を給与として源泉徴収洩れ、消費税課税仕入否認といわれたケース
○減価償却の耐用年数の誤り、建物を定率法で償却していたとして問題となったケース
○多額の在庫金額の修正を要求されたが今回は指導となったケース
○弁護士、司法書士、歩合外交員の源泉徴収洩れを指摘されたケース
○法人設立2期目、または休業となった直後に調査といわれたが、税理士の交渉により調査の延期、中止となったケース
7.Q&A
Q1:顧問報酬についてですが、およその相場と、一旦決めた報酬を、業績が悪くなったとき、値下げして貰えるのでしょうか?
A1:当事務所独自の報酬規程が在りますが、以前決められていた税理士会の最高報酬規定の約70%の水準です。会社の規模、取引量、帳簿のレベル等、種々の要素がありますので正確にはお答えできませんが、会社で年間36万~80万円前後が中心、個人で年間5~18万前後が中心と思います。また、業績が連続して大きくマイナスとなり、社長の役員報酬も大きく値下げするときは、当事務所としても、当面の経費節減にご協力する形で値下げを自ら断行するようにしております。
Q2:税務調査の際、貴事務所の失敗があり、追徴課税を受けたときの貴事務所の対応は?
A2:当事務所の失敗は絶対にあってはいけないのですが、人間が行っていることであり、絶対はありえません。万が一、当事務所の責に帰する要因により、追徴課税があった場合は本来支払わなくてはならなかった本税以外の加算税、延滞税(実質的な損害)については、当事務所が誠実にお詫びと責任をとります。また、本来還付される又は税額が安かったところ高く支払ってしまい、その更正が効かないときは、同様に責任をとります。責任をとるということは、損害賠償するということです。 “正々堂々”が当事務所の精神です。
Q3:当社が税務調査になったとき、どのような対応をしますか?
A3:国税当局に対しての当事務所の姿勢は、税理士法第1条の「独立した公正な立場」で一貫しています。 しかし、追加徴収の為に税務署はやってくるのですから、防戦しないといけません。まず線密に打ち合わせを行い、専門家として毅然と言うことは言う。是は是として、非は今後の指導として行政に求めていきます。結果として、お客様の利益を守ることを一番に考えています。
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